VeryVery 3




 もうすぐ次の島に着く。
 ログが溜まるまで今度はどれくらいかかるだろうか、そこに街はあるのか?期待と不安の混じり合う時間の中、ナミは島に上陸するための服選びに余念がない。

「ビビも早く着替えなさいよ」
「え?これでいいじゃないですか」
 いつものショートパンツ姿のビビとは対照的に、ナミは鏡の前で服とにらめっこ状態。
「なにいってんの。いつ『運命の出会い』があるかわからないのよ」
「『運命の出会い』ですか?」
「そう。いつステキな人に出会ってもいいように心がけなくっちゃ。乙女のたしなみよ」
 そういうものなのかな・・・と思いつつ、ビビはナミの洋服選びのアドバイスをする。

 そっちの服の方がいいですよ、靴はそっちのサンダルの方が似合ってます、あ、それはこれの方がいい・・・

 ビビはなんだなか普通の女の子のようだ、と思ってくすぐったくなる。こんな風におしゃれのことをアレコレいうのはとても楽しくて、ナミの楽しそうな様子に自分も満足していく。
 少し前までは敵同士だった。だけど今はこんなにそばにいる。

「あ」
「どうしたの?」
「『運命の出会い』」
「うん?」

「私、もう『運命の出会い』してるんだって思って」

 そういってビビはクスクス笑いだした。
 それを聞いてナミは心中穏やかではいられない。
「え?!だ、誰と!??」
 焦るナミに、ビビは首を傾げる。

「・・・なんだあ。ナミさんは見逃してるのか」

「見逃してる?どういうことよ」
「なーいしょ。さ、ナミさん着替えて着替えて」
「もー、教えなさいよ!」
「気が付かない人には内緒だもん」
「きーにーなーるー」

 着替えよりおしゃれより、ナミに詰め寄られそうなビビだったが、話す気にはならなかった。たまにはナミを困らすのもいいかと、ビビは笑う。



 だって見逃してる。

 あなた達に会えたこと。
 あなたに出会えたこと。

 これこそ『運命の出会い』でしょう!











03/03/11 ★ CULT BITTER / キル