超カルガモを枕に昼寝をするゾロ。
・・・の腹を枕に昼寝するようになったのがチョッパー。
最近は3人がセットになったように昼寝をしている。



午後の日課
… 2 …



「トニー君はどうしてミスター・ブシドーの腹枕で眠るようになったの?」
「ん?枕がほしかったんだ」
「そういうものなの?」
「ビビは寝るとき、枕使うだろ?」
「そうだけど」
「ゾロもカルーを枕にしてるんだし、オレがゾロを枕にしてもいいハズだ。それに・・・」
「それに?」
「・・・ゴニョゴニョ。ビビもやってみろって!」
 この日、いつもの昼寝3人セットにプラス一人、加わった。



 昼食後、いつものようにゾロはカルーを呼んで枕にし、あ!っという間に眠ってしまった。
 その後にチョッパーとビビがやって来た。
「なんでこんなに簡単に寝ちゃえるのかしら?」
 ビビは不思議そうにゾロを見つめる。大剣豪を目指してるのなら気配とか気付くはずなのに・・・と思いながら、頬をつつく。
「そんなもんじゃ起きないぞ」
「そうよね」
「ウソップが横でなんか爆発させたときも起きなかったぞ」
 ぺちぺちとゾロの頬をたたく。
「殺気とかの方が起きるかもね。私たちは仲間だからミスター・ブシドーも安心してるのよ、きっと」
「・・・仲間か」
 えへへ、とチョッパーはうれしそうだ。
「じゃあ、ビビは腹にな。オレは胸の方に」
 そういうとチョッパーはゾロの右胸の方に頭をのせた。ビビはいいのかなぁと思ったが、気持ちのよい昼寝日和とチョッパーから聞いたことを知りたかったので「失礼します」一応あいさつだけして、ゾロの左脇腹に頭をのせたのだった。



 真上の太陽がまぶしい。目をつぶっていても光が入ってくる。よくこんなところで昼寝できるもんだ、とビビは感心する。
 チョッパーから譲られた腹枕。
 せっかくの枕だが、かたい。
 日々トレーニングで鍛えられてるゾロの脇腹は割れている。頭をのせると痛い。まるで板のようだ、とビビは思った。
 聞こえてくる3つの寝息。
 上下する腹筋。
 ビビも少しずつウトウトしだす。



ぐるぐる・・・



「あ!」

 聞こえた。
「トニー君、トニー君、聞こえたよ」
 ビビはうれしげにチョッパーに報告する。半分眠ってるチョッパーの声が返ってきた。
「そっか・・・」



ぐるる・・・



 お腹が働いている。
 さっき食べた昼食を消化してる音。
 腹枕でないと聞こえない小さな音。
 自分の音も聞こえるんじゃないかと思って、ビビは自分のお腹を押さえた。ぐるぐる聞こえる音が楽しくて、クスクス笑いながらビビは眠っていった。



 小さないたずら。
 小さな内緒。

 今日は4人(二匹と二人?)で眠った午後の昼寝。















* おまけ *
 キッチンから漂う甘い匂い。サンジはいそいそとおやつの準備、最終段階だ。
「ナミさーん、ビビちゃーん、もうすぐおやつだよん〜
 その匂いにつられたようにナミがやって来た。
「あら、ビビはここじゃなかったの?」
「え?ナミさんとこじゃなかったんですか?」
 一瞬、二人は顔をあわせ青くなった。

「「どこに!?」」

 二人は慌てて甲板に出、ビビを探す。隅から隅までずずずぃっとな。
 そして二人の見たものは・・・。
 カルーを枕にしたゾロと・・・
 その上に眠るチョッパーとビビの姿。



ピッキーン!

 穏やかな船の上で、サンジとナミのところだけ温度が絶対零度まで下がったようだ・・・。

「起きろー!!クソマリモ!!!」
「起きなさい!ゾロ!」


■この後、二人の足蹴りに起こされるだろう剣豪・・・。不憫(涙)。チョッパーとビビはもちろん、んなことには気付かない。

03/05/12 ★ CULT BITTER / キル