昼食を終えた後。 いつものようにビビは甲板に出てカル−の毛繕いを始める。 するといつの間にかゾロがカル−の背を枕に昼寝を始める。 午後の日課
その様子を見つめるのが日課になってるようなサンジとナミ。 キッチンで昼食の後かたづけをするサンジと航海日誌を書くナミ。キッチンから見える甲板の様子を複雑そうに見つめる二人。 「最近ずっとあんな感じね・・・・・」(ドドドドドド!!!!!/効果音) 「そうですね・・・・・」(ドドドドドドド!!!!!!/効果音) 午後のキッチンはおどろおどろしい空気が渦巻いている。 『なんでなんでゾロはいつもビビのそばで昼寝するわけ!??』 正確にはカル−なんだがそれはどうでもいいらしいナミ。 『ど−−−−−−してあのクソヤロ−をそばで昼寝させちゃうの!??』 勝手に寝るのはゾロのいつものことだが、それは宇宙の彼方に飛んでいるサンジ。 そんな二人が今日は行動に出た。 サンジはお茶を持って。 ナミは航海誌を持って。 甲板のビビとカル−とゾロの元にやってきた! 「ビービちゃん。お茶はいかが?」 「気持ちよさそうね、カル−」 押しと口の強い二人がやってきた。 「どうしたんですか?」 いつもキッチンにいる二人の様子を時々垣間見てたビビはビックリした。 「たまには外で書くのもいいかと思って!」 とゾロの頭をけ飛ばすナミ。 「今日は早くに片づけが終わったからね!」 ちゃっかりビビの横に座るサンジ。 その言葉通りに受け取ったビビは 「そうですね!」 にっこり微笑む。 少し心が痛むサンジとナミであった。 たわいない話をしながらナミが仕掛けた! 「ところで、なんでゾロは昼寝をビビのそばでしだすようになったの?」 ナミはふだんと変わらない顔で聞いた。が、目は笑ってなかった・・・ナミの後ろからはおどろおどろしいモノがわき上がっていた。ビビは気付かなかったが、カル−はビクッと体を震わせた。 「なんか知ってる?ビビちゃん」 サンジも笑顔で聞く。その目も笑ってなかった。サンジの後ろからも何か出てきそうな雰囲気だった。カル−はまたブルッと体を震わせ周りを見る。まるで今から逃げ出そうとするように・・・ そう聞かれて考え込むビビ。そして意を決したように、 「これは内緒ですけど・・・・」 この言葉でナミとサンジの後ろのモノは効果音を出し始めた! ドドドドドドドドドドド!!! そうこのおどろおどろしいモノの正体は「嫉妬」。黄色い薔薇の花言葉である。 『内緒!?ないしょって一体なにが内緒!!???』 思い詰めたような二人は、この言葉の次を聞く0.5秒の間にいろんな事が走馬燈のようにかけめぐった。 「お昼にカル−の行く場所が一番涼しいんですよ!」 肩に力が入ってる二人はなかなかその言葉を体に受け入れられない。よっぽど思い詰めてたのか?(笑) 「えっ?」 「カル−がこの船で一番涼しいところに連れてってくれるんです。多分ミスター・ブシド−もそれに気が付いたんだと思います!やっぱり普通に甲板で寝てると暑いと思いますもの!!」 「・・・・・・・・・・そうなの?」 ナミの後ろのおどろおどろしいモノが引っ込む。表情は変わらないが気が付けば回りに花が咲いてるようだ。 「・・・・・・・・・・涼しいのか」 サンジの後ろの効果音も引っ込む。周りはバラ色だ。 「はい。ナミさんとサンジさんも誘いたいけど、用事がいっぱいあるみたいで、誘えなかったんです」 ごめんなさい、と二人に謝るビビ。 実は疑っていたとはとうてい言えない、心が痛む二人である。 「用事もあるけど、やっぱり外は気持ちいいし。またここに来ていい?」 「もちろんですよ!ナミさん」 「オレもおやつ持ってくるよ」 「お願いしますね、サンジさん」 その様子を寝たふりをしたゾロが聞いていた。 『ここも寝ずらくなりそうだ』 午後の昼寝にカル−の毛は気持ちいいし、涼しい。その上カル−のご主人様が毛繕いの時に、多分知らずに歌ってる歌も聞ける所だった。そんな気持ちのいい場所を他のヤツにも知られてしまったと思うと、残念な剣豪だった。
01/06/15 ★ CULT BITTER / キル
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